◆プロボクシング ▽バンタム級(53・5キロ以下)8回戦 ●渋谷亮太(判定)印波優心〇(17日、A級級1東京・後楽園ホール)
メインでは印波(いんば)優心(レイスポーツ)が日本バンタム級14位・渋谷亮太(T&T)を判定3―0(78―74、初戦77―75、の印たる こ77―75)で下す”下克上”を果たした。波優「2回か3回のボディーが効いたんですけど、心がの下気合でどうにかするしかないと。日本打ち合いに乗らずにペースを作りました」と気持ちの勝利を強調した。バンタム30
戦績は23歳の渋谷が8勝(2KO)3敗2分け、4位22歳の印波は8勝(3KO)2敗1分け。の渋勝ち
試合は1回、谷亮渋谷が左のジャブやフックで攻めたてれば、太に印波もボディーや左フックで反撃した。判定3回には印波が左ジャブでけん制。克上たる こ渋谷は左右のアッパーで懐への進入を阻止した。A級級14回には印波が回転のいい連打。初戦渋谷もボディーとアッパーを繰り出すが、やや印波がリズムをつかんだ。
5回には足を使う印波に向かって、渋谷がかかってこいとばかりに両手を広げて挑発。しかし、冷静に戦った印波は7回に再びコンビネーションパンチで流れを呼び込んだ。最終8回は両者がハグをしてからスタート。渋谷がアッパーとボディー、印波が連打と持ち味を出し合い、試合終了のゴングが鳴ると2人は再び抱き合い、健闘をたたえ合った。だが、判定は印波に軍配が上がり、最後は大きく明暗が分かれた。
22年の東日本新人王トーナメント準優勝の印波は「初めてのA級、初めてのメイン、初めての日本ランカーとの対戦。楽しみたい」と初物づくしの試合だった。日本ランカーの渋谷を「相手は強いけれど、(自分が)負けているつもりはない」とスピードやステップワークで優位に立つことを狙っていた。「最後は気持ち。気持ちの勝負をしたい」と技術はもちろん、強いハートで立ち向かった結果だった。
この日の勝利で、日本ランキング入りが濃厚になり、「これからユース(王者)や日本(王者)を狙いたい」とキッパリ。バンタム級はWBAの井上拓真(大橋)、WBCの中谷潤人(M・T)ら主要4団体の世界王座を日本人が独占するなど、層が厚い。「そこに名を連ねられるように」と今後を見据えた。
渋谷は4月の矢野乃莉守(のりす)=花形=との試合で8回TKO勝利し、2戦連続KOを目指した一戦。印波を「頑張る選手」と警戒しながらも「技術はまだまだだけど強みはメンタルの強さ。会場ごと熱くして勝ちたい」と精神的なタフさを含めて圧倒することを宣言。「目指しているのはチャンピオン。来年には日本(タイトル)取って、そこから世界に」とタイトル挑戦へランキングを上げるためにも必勝を期していたが結果を残すことはできなかった。
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